Conversation - 対談
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Conversation Vol.2 アーティスト 高橋 理子 × knot Rブランド責任者 河内 道生 - 後編|knot R

空間づくりにとって、魅力あるデザインは不可欠な存在。

HIROCOLEDGE 手ぬぐい 河内 河内私たちknot Rでは、ビルやマンションなどのリニューアル提案=リモデルを行っています。そうした空間づくりを行っていく際、やはりデザインの力というのは不可欠な存在となります。たとえば飲食店の場合なら、その店を訪れる人たちを想像した上で必要なデザインを施していく。すると、実際にオープン後には、想い描いていたような人たちが集まってくるのです。もちろん、すべてがスムーズに行くわけではありませんが、完成後に建物のオーナーに「いい空間ができあがった」と喜んでいただくことが、私たちに大きな満足感をもたらします。そういうときに「心の底からつくり手でよかった」ということを実感しています。 

高橋 高橋私の活動は、世の中に存在する固定観念や偏見を打ち破るようなきっかけを生み出すことです。伝統的なものと今の時代だからこそ生み出せる図柄を組み合わせることで、新鮮な驚きや、固定観念の壁をすっと飛び越えるきっかけを与えることができます。ゼロからすべて生み出すことだけがデザインではなく、身の回りにあるものを少し違った視点で組み合わせることで新たな発見や前進へのきっかけが生まれます。そのバランスをとることもデザインなのだと思います。  河内なるほど、すごくよく分かります。最初に話した理子さんのアトリエの壁の話に戻りますが、以前だったら白い壁に塗料で描くことしか方法はなかったわけです。それがいまならカッティングシートを貼るという選択肢が出てきた。もっと時代が進化したら、もっと効率的に高度な処理ができるようになるかも知れない。まさに最新技術を活用したリノベーションですよね。  高橋染色の世界でも、技術の進歩は目覚ましいものがありますが、その技術を手仕事の効率化のためだけに使うのではなく、その技術にあった図柄を生み出すことで、その技術の価値や存在意義を明確にできます。手仕事でできることと最新技術でできることをしっかりと意識してもの作りをすることが、たくさんのものが混在するこの時代に求められていることだと思います。  

優れたデザインからは、コミュニケーションが生まれる。

HIROCOLEDGE ウォール 河内理子さんの生み出すグラフィックが建築空間にもたらす影響は、ものすごく高いのではないかと私は考えています。この独自の柄が入ることによってデザイン性が一気に高まり、考え抜かれた壁になる。デザインがなければ、ただの壁のままです。私たちは一貫して空間を扱う仕事をしているわけですが、今後作品を通してこんなことやってみたいという抱負や希望はありますか。  河内これまでも、"衣食住"を意識して活動してきましたが、最近では、建物の内装や外壁に私の柄を入れたいというお話をいただき、ずいぶんと作品の規模が大きくなってきました。個人で使うものとは違い、多くの人の目に触れる作品は、コミュニケーションを生み出すきっかけになります。今後は作り手側のコミュニケーションだけではなく、多くの人とつながるきっかけになるような、もっと大きな、例えば公園や街を作るということも手がけてみたいと考えています。 

河内それはおもしろいですね。想像しただけでも楽しくなってきます。街のなかに理子さんのデザインが広がっていくわけですよね。なんと言うか、素敵な柄やデザインがあると、それについていろんな話ができますよね。つまり、そこにはコミュニケーションが生まれる。柄とか装飾を贅沢品だと決めつける人がいますが、けっしてそうではないと思います。素敵な柄に、たとえば機能性も付加されれば、さらに画期的で魅力的なものになっていくと思います。 

HIROCOLEDGE 扇子 高橋装飾的な柄は、機能として必要がないという場合が多くありますが、日本の伝統技術の中には、装飾を施すための技法がたくさんあります。暮らしを豊かに彩る柄と、それを表現する高度な技は、密接な関係を持ち、影響し合いながら発展してきました。その高い美意識が、日本のもの作りを支えてきたとも言えるのではないでしょうか。私の図柄も、過去から引き継がれてきた技術や、これから生み出される技術の発展に影響を与えられるように、さまざまな挑戦を続けて行きたいと思っています。  河内柄と技術の結びつき、その関係性は非常に重要なことですね。私たちのknotという社名ですが、「絆、結び目」という意味です。空間づくりは、けっして一人ではきません。多くの人たちの協力によってつくり上げていく、そんな意味を込めています。今後、機会がありましたら、ぜひご一緒にコラボレーションができればと考えています。  高橋こちらこそ楽しみにしております。そのときは、全力でいい作品づくりに取り組みたいです。    アーティスト 高橋 理子 × knot Rブランド責任者 河内 道生

2011/4/19
取材協力:TAKAHASHI HIROKO BASE(上野)
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